循環器内科
循環器内科は心臓血管領域の疾患を専門とする分野です。現在、当院医師1名に加えて熊本大学循環器内科等、非常勤医師の応援を得て、月曜日から金曜日まで外来診療を行うことができています。
呼吸困難や胸痛・動悸、失神発作、難治性の高血圧症などを契機に受診・紹介頂くことが多いようです。まずは問診・聴診から心臓超音波検査、負荷心電図検査、24時間心電図検査などの比較的簡便な検査を行い、冠動脈CTや心筋シンチ、心臓カテーテル検査といった更なる精査が必要な場合は、熊本大学附属病院や済生会熊本病院などの高次医療施設に積極的にコンサルテーションしています。
糖尿病内科(糖尿病センター)
当院の糖尿病内科(糖尿病センター)は2人のエキスバート(宮村信博医師:日本糖尿病学会専門医および指導医、蛯原賢司医師:日本糖尿病学会専門医)が中心となって、宇城地域の糖尿病診療の基幹の役割を担っています。当センターは日本糖尿病学会の糖尿病教育認定施設でもあるため、これから糖尿病専門医を目指す新進気鋭の医師や、糖尿病療養指導士を目指すスタッフの研鑽の場ともなっています。
さらに、看護師、管理栄養士等が多数日本糖尿病療養指導士の資格を有しており、栄養指導・フットケア指導・糖尿病透析予防指導・月1回の糖尿病教室等、糖尿病に関するさまざまな療養指導を行っています。
外来診療スケジュールは毎週月曜から金曜の午前中となっており、必要に応じて入院治療も行っています。
また、2018年5月より「内分泌・代謝内科」を新設することになりました。内分泌・代謝領域は糖尿病との関連も深く、上記2人の医師は日本内分泌学会認定専門医でもあります。
内分泌・代謝内科
内分泌・代謝内科の診療範囲は多岐に広がります。
内分泌とはホルモンによる全身調節のことをいいます。代謝とは身体の各所において物質やエネルギーを他の状態に変化させる働きのことです。これらの不調により身体内では様々な不具合が生じてきます。頭部から体幹部にわたって広く散在する主要な内分泌臓器を下にまとめています。
①視床下部・脳下垂体
脳の中心部に存在する全身への司令塔です。下に述べるほぼすべての内分泌臓器、および各代謝系、自律神経系を制御しています。
②甲状腺
代表的な内分泌臓器です。内分泌疾患の中では罹患者数がもっとも多い臓器といえます。司令塔の制御を受けながら、エネルギー代謝を中心として全身の身体機能を安定させています。
③副甲状腺
甲状腺の裏面に4個に分かれて存在する米粒大の内分泌腺です。腎臓、消化管にはたらいて全身中の大切なミネラル成分であるカルシウム、リンの動きを調節すると同時に、骨の新陳代謝において最も重要な役割を担っています。
④副腎
左右の腎臓の上部に、例えて言えばそれぞれの腎臓が帽子をかぶっているかのように存在している2つの臓器です。「皮質」と「髄質」に分かれており、皮質は、やはり司令塔の制御を受けながら、主に3種類のステロイドホルモンを作ります。これらは全身で「代謝」を受けることにより多数のホルモンに変化して多様な働きをしています。髄質は、あまり医学的な用語ではありませんが「アドレナリン」を作る臓器であると考えてよいと思います。
⑤膵臓
膵臓は消化液をつくるなどの消化器としてのはたらきの他に、もう一つの別の大切なはたらきがあります。膵ホルモンを作り全身の状態を一定に保つはたらきです。そのホルモンのひとつがインスリンです。このインスリンの働きの変調によっておこる疾患が糖尿病です。つまり糖尿病は内分泌・代謝疾患の一つであるのです。ただ、糖尿病はその罹患者数がきわめて多いこと、疾患に付随して多くの併発症がおこることから、現在では内分泌・代謝内科から独立した糖尿病の専門科がその診療を担っています。当院でも糖尿病センターがその役割を行っています。
⑥性腺
男性では精巣、女性では卵巣がこれに当たります。いわゆる男性ホルモン、女性ホルモン(これらもステロイドの仲間です)をつくって、簡単にいえば性機能を調節しています。
⑦以上の1から6までが古典的な内分泌臓器ですが、近年では古典的内分泌腺以外の全身の臓器や組織(たとえば心臓、骨、脂肪組織、筋肉など)においてもホルモン様物質(サイトカインと呼ばれることも多くなりました)が作られ、全身にはりめぐらされる情報交換ネットワークを形成していることがわかってきています。
このように非常に幅の広い領域であるため、例えば、どのような症状が起こったら内分泌・代謝内科を受診すればよいのかがわかりにくいと思います。一般的に言えばNHK番組の「ドクターG」を思い浮かべてください。多彩な症状を示して医師たちが頭を悩ますような、診断のつきにくい疾患です。テレビの番組中では「総合診療医」が解決していきますが、このような症状の背後に多くの内分泌・代謝疾患が隠れていると思われます。
腎臓内科
腎臓内科は腎臓の疾患を専門とする内科です。ただし、腎・泌尿器系の悪性疾患に関しては泌尿器科がメインとなります。腎臓は左右にそれぞれ1個ずつ、合計2個あり、それぞれの腎臓から尿管がでて膀胱につながっています。
主に腎臓内科では腎臓が原因となる原発性腎不全だけでなく、腎臓以外の原因からの二次性の腎不全を診療しています。それらは急性と慢性の腎不全に分類され、原因検索のため当院で施行できない検査が必要になるときは大学病院など高次医療機関に紹介しています。腎不全が進行して末期の状態になると腎代替療法としての透析導入が必要となります。
腎代替療法には血液透析、腹膜透析、腎移植の3つがあり、当院では血液透析のみ行っております。そのため腹膜透析や腎移植を希望される場合には高次医療機関に紹介しています。また血液透析に関して、当院では導入は行っていますがアクセスの作製は行っていませんので手術が必要な場合は他医療機関に紹介しています。
近年糖尿病による腎症による慢性腎不全の方が増加しており、透析導入の原疾患としては1998年以降第一位となっています。熊本県は全国でも透析導入が多く、できるだけ早期に治療介入して腎不全の進行を遅らせることに主眼に置いて診療にあたっています。そのためお薬による治療だけでなく、必要があれば生活習慣の見直しや食事に関して指導を行っています。
当院の特徴として回復期リハビリテーションを行っておりますため、腎不全を有する患者さんのリハビリを積極的に受け入れています。透析導入前の保存期の方だけでなく血液透析をされている方の透析における診療を担当しています。
脳神経内科
脳神経内科は脳や脊髄、神経、筋肉の病気をみる内科です。
体を動かしたり、感じたりする事や、考えたり覚えたりすることが上手にできなくなったときに病気を疑います。
症状としてはしびれやめまい、うまく力がはいらない、歩きにくい、ふらつく、つっぱる、ひきつけ、むせ、しゃべりにくい、ものが二重にみえる、頭痛、かってに手足や体が動いてしまう、ものわすれ、意識障害などたくさんあります。取り扱う主な疾患は脳血管障害(脳梗塞)、認知症、パーキンソン病、頭痛、てんかんなどです。
当院にはCT、MRI、脳波などの検査機器もそろっていますが、診断する上で最も大事なのは、病気の経過と診察です。外来ではしっかりお話を伺い、診察をした後に、必要な検査を行うように心がけております。
入院は脳卒中のリハビリテーションが中心です。急性期病院での治療を終えた患者様を速やかに受け入れ、重症度に応じた目標を設定し、在宅へ向けた支援を多職種によるチームで行っています。
人工透析内科(腎・透析センター)
保存期腎不全(まだ透析に入っていない腎不全)の加療、栄養指導、教育入院(腎不全がある程度以上進んでいる方の透析導入の時期を延ばすため)イーカム(水ひき)を利用しての重症心不全加療、透析導入などを行いながら、他病院の合併症(脳梗塞、骨折など)患者の受け入れ(透析を行いながらのリハビリ)を行っています。
透析を安全、安心して受けられるように電子カルテ、透析管理システムの利用、臨床工学士の日常的な透析装置のメンテナンス、看護師の担当制での受け入れ、優しいことば遣いで患者さんを迎えます。