病院長挨拶


 当院のホームページをご覧いただいただき、ありがとうございます。2023年4月1日付で、院長に就任した箕田誠司(みたせいじ)と申します。院長は交代しましたが、公的役割を担う社会医療法人として医療面での患者様本位をはじめ、救急医療や災害医療、透析医療、コロナ対応などの公的役割重視、高齢者医療や回復期および慢性期医療などの基本路線は何も変わりません。患者様にはこれまで通り、安心して通院して頂きたいと存じます。

 簡単に自己紹介しますと、熊本地震で被害が大きかった益城町出身です。1983年3月に熊大医学部卒業し、同年4月に熊大第2外科に入局しました。松橋は1992年から3年間、熊本南病院外科に勤務しましたので、今回が2回目になります。

 私のこの20年余りのキャリアをご紹介しますと、2001年からの済生会熊本病院外科センターでは11年間にわたり乳癌、胃癌、大腸・直腸癌の外科を中心に、救急外科や腹腔鏡外科を修行し、最後は副部長を4年間勤めました。その後、宮崎県の高千穂町立病院院長としてへき地医療に3年間取り組み、 2015年からは合志市の国立ハンセン病療養所菊池恵楓園園長として8年間勤務し、この3月に定年退職しました。

 さて、当院は1984年、宇賀岳病院の名称で48床からスタートし、現在では204床の地域の中核病院になりました。今年で創立39年目になりますが、この間、災害拠点、救急および感染症の指定病院となりました。現在地に移転する1年前に社会医療法人の認定を受け、移転後は宇城総合病院と改称し、2015年には地域医療支援病院の承認を、2019年には熊本県から地域医療拠点病院の指定を受けました。特に熊本地震での災害対応、そして今回のコロナ禍では、多くの感染者の入院等、公的な役割も担い、地域の中核病院に相応しい働きでした。特に救急医療は当院の大きな柱です。当法人はこれまで当院の他に、美里リハビリテーション病院介護医療院・美里リハビリテーションクリニックを運営していますが、この4月から宇城市民病院が無床の宇城総合クリニックに変わり、新たに加わりました。昨今、医療従事者も働き方改革が求められており、職員の健康に配慮しながら患者様本位の質の高い診療ができるように、また、やりがいを感じながら診療に専念出来るよう努めています。現在の医療は高度化し、昔のように医師一人が頑張れば済む時代ではありません。各職種が協働したチーム医療の維持のため、医師やコメディカルスタッフ、後方支援の事務職員等全員が患者様のことを中心に考えて自主的に行動する、「考動」が重要です。

 高齢社会から超高齢社会となり、以前からの国の医療費抑制政策が続いていたところにコロナ問題、それにウクライナショックと国際的大問題が立て続けに起こりました。これに関係して膨大な予算がつぎ込まれたことで今後は緊縮財政が予想されます。日本の医療制度の良いところは病院の規模や診療科を問わず、患者様が受診したいと思ったときに自由に受診先を選べるフリーアクセスでした。しかし、ヒト、カネ、モノに限りがある限り、この制度もいつまで維持できるか難しい状況になりつつあります。このような中、国は5月GW明けからコロナ5類移行が決定しました。ようやく、コロナも出口が見えつつありますが、当院も段階的に一般医療として対応していく予定です。

 最後になりますが、高千穂で地域包括ケアシステム構築に取り組んだ3年間と恵楓園で入所者と職員の人権を尊重してきた8年間で見えてきたものは、患者さんにとって安心で納得の医療とは患者さんの自己決定権や尊厳、納得を尊重した医療でした。これまでの経験を活かし、地域の皆様のご支援をいただきながら職員とともに地域医療に貢献してまいります。今後ともよろしくお願い致します。


(更新日:2023年4月1日)

当院について